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2024年11月20日水曜日

憧れのツェルマット、(18) ゴルナーグラートからリッフェルベルク駅へ滑る

 ゴルナーグラート駅をスタートして暫くは線路の左側を滑ります。200mほど降りたところで線路と交差する。線路の下を潜り、右側に出る。

ゴルナーグラートは尾根のピーク、そこに至る登山鉄道は尾根筋(稜線)を走っている。なので線路の両側は崖、その中段に刻まれた狭い急傾斜が500mほど続く。今回滑った中で、一番狭いコース。

この急傾斜を降り切ったところから、ゴルナーグラートの台地が広がり、コースが分岐する。右に戻るようにターンすると、谷底のGANTへつながるコース。GANTにはスネガに登るゴンドラとホーエリに登るゴンドラがある。

リッフェルベルク駅に向かうコースも2つに分かれ、左方向、線路沿いに行けば最もやさしいなだらかな初心者コース。

ローテンボーデン駅を過ぎたあたりから線路と並行になり、登山電車と競争が出来る、お子様大喜びの名物コース。

線路から離れる右側のコースは、更に分岐し、緩斜面と急斜面がウェーブのように連なるコースがいく筋か、リッフェルベルク駅へと向かっている。
うねりの中盤、コースとコースの間に、イグルー(雪のホテル)がある。
日本風に言えば、巨大な”かまくら”ですが、実際に泊まれるホテルです。
Ice-berのようなカフェエリアもある。
イグルーのカフェで、コーヒーを飲みながら見回すと、無数のシュプールが刻まれていた。日本との違いが理解できた。森林限界の上にあるゴルナーグラートの台地は、圧雪すればどこでもコースになり、圧雪されなければパウダーエリアとなる。一方、日本では森林を切り開いてゲレンデを作らなければならない。
リッフェルベルク駅には複数のコースが集まる。
リッフェルベルク駅前?のレストランはご覧の混みよう。

登山電車でゴルナーグラート駅へ戻ります。ゴルナーグラート駅とリッフェルベルク駅の間のコースを一通り滑る間(4往復)、リフトには一度も乗りませんでした。
リッフェルベルク駅の綺麗な時計オメガのマークが入っている。

次は、谷底のGANTへ降りて、スネガ、ロートホルンを滑ります。




2024年11月17日日曜日

憧れのツェルマット、(17) ゴルナーグラート展望台、クルムホテル

 ゴルナーグラート(Gornergrat)は、南にゴルナー氷河を見渡す尾根、最高点はクルムホテルの裏手にある展望台で標高は3,130m。ゴルナーグラート駅に、スキー板を置いて、クルムホテルの横を登り展望台へ行った。クルムホテルの上にある銀色のドームは天体観測所、今でも観測が行われている。城にドームの姿は、「ハウルの動く城」を連想させる。クルムホテルのエントランス、奥には小さな聖堂がある。クルムホテルの横を歩く、ゴルナーグラートの展望台が見えてきた。360度を見渡せる石垣があるだけで、何の施設も無い、まさに展望台。レストランのテラス席開店の準備を始めている。展望台から見た、マッターホルンとクルムホテル。

そして、展望台からの360度絶景、2時間後には、快晴の下アルプスの絶景となり、レストランのテラスも、満席になるだろう。

3,000m越えの高地に、鳥がいた。アルプスのカラス(キハシガラス)だそうだ。黒い体に黄色い嘴、赤い脚、日本で見かけるカラスの4分の1程度の大きさで可愛いらしい。

ゴルナーグラート駅では、次の登山電車で来た人たちが、滑る準備をしている。私も、降りて準備をしよう。
本日の1本目、リッフェルベルク駅目指して滑ります。


憧れのツェルマット、(16) ゴルナーグラート鉄道

 午前7時52分、ゴルナーグラート鉄道ツェルマット駅のホーム。ツェルマットスキーエリアの全ての移動手段は8時が開始時間と決められている。ゴルナーグラート鉄道も例外ではなく、午前8時以前に発車する電車にスキー、スノボの道具を持ちこむことは禁じられている。

この時間の電車は、ほぼ全員がスキー客。ゴルナーグラートに登る観光客は、ホテルで朝食を済ませてから電車に乗る。
電車のテーブルには、スキーエリアのイラスト、太い赤線がゴルナーグラート鉄道。ツェルマットからゴルナーグラート山頂まで、9.24㎞、標高差1400mを走る。
8時2分、電車はツェルマット駅を発車、数分はオシャレな、カフェやホテルの中を走る。
やがて、斜面にかかり、山小屋の間を登り始める、マッターホルン山頂が、モルゲンロート(朝焼け)に染まっている。
徐々に斜面は険しくなり、アプトギアの音高く、林の中を進む。
電車は更に登り、スネガとゴルナーグラートを隔てる谷を跨ぐフィンデルバッハ鉄橋を渡る。氷河の向こうで4,000m級の名峰たちが朝焼けに染まっている。
暖かい電車の中で、スキーウェアを解き、車窓からアルプスの朝焼けを見る。至福の時。
森林限界を超えた、遮るものがなくなり、マッタ―ホルンが全容を現す。昨日の滑走をたどる、左からマッターホルン直下の谷へ滑り降り、谷沿いから林間コース、フーリへ向かった。マッターホルンの左直下の谷に一の字にマッタ―ホルンエクスプレスのフルク駅が見える。
森林限界を超えたゴルナーグラート鉄道は、リッフェルボーデンとリッフェルベルクの間のくぼ地のぞき込みながら、右に大きく回り込み、ゴルナーグラートのメインエリアの台地へと上がる。
リッフェルベルク駅に着いた。時刻は8時25分、気温-5℃、天気は昨日に続いて快晴、今日も最高のコンデイション。
山頂のゴルナーグラート駅からここまで、なだらかな傾斜が約4キロにわたって広がっている。子供でも滑れる初級者エリア、快適なクルージングが出来る。
スキーエリアを、電車は登る。
ゴルナーグラート駅の一つ手前、ローテンボーデン駅
クラインマッタ―ホルンが見える、始発のゴンドラに乗ったスキーヤーでもまだあそこまでは行けていない。
クルムホテルが見えてきた。終着ゴルナーグラートはすぐそこだ。
登山電車は大きくターンして、ゴルナーグラート駅に到着する。
ゴルナーグラート駅とクルムホテル
ゴルナーグラート駅に降り立つ、スイス最高峰のモンテローザに遮られ、ゴルナーグラートには朝日は届いていない。

2024年11月11日月曜日

憧れのツェルマット、(14) チェルビニア(イタリア)へダウンヒル


 スイスに来て最初のスキーが標高3,820mからです。緊張します。
コースは、整備されまっ平少々の急傾斜でも、恐怖は感じません。

イタリアとスイスの分岐点、テオドール峠へ向かって滑ります。


テオドール峠に建つ、左チェルビニア(イタリア)右トロッケナーシュテーク(スイス)の道標、奥はテスタグリージア


イタリアに入りました。テオドール峠からの滑降です。

正面はテスタグリージア、テオドール峠から大きく3ターン、森林限界の上にスキーエリアが広がり、岩山と氷河の都合でコースを作るアルプス、森林を切り開いてゲレンデを作る日本のスキー場では見れない景色です。
ターンを切らずに滑ればそのままでダウンヒルコース、誰でもこんなコースを滑れるなら、アルペンスキーになかなか日本人が勝てない理由が理解できます。
マッターホルンもイタリアでは名前を変えてチェルビーノです。ツェルマットから見るマッターホルンと同じ山とは思えない山容です。チェルビーノの手前直下がPLAN MAISON チェルビニアから、テスタグリージア、テオドール峠方面へのゴンドラの中継地です。
白銀のうねりを何度も越えて、チェルビニアが見えてきました。標高2,050m森林限界にあるスキーリゾートです。
ホテルが立ち並ぶ、チェルビニアの町が大きく見えてきたら
最後の斜面です。
FINE PISTA(ピステは終わり) イタリアです。
PLAN MAISONへ登るゴンドラ駅に着きました。
イタリア側のスキーエリア案内版、コース、ゴンドラ全てグリーンが点灯、最高のコンディションです。マッターホルングレイシャーパラダイスから標高差1,770m、距離10kmのダウンヒルでした。
チェルビニアで、PIZZAを昼食にしようと考えていましたが、付近はホテルばかりで食事をとれそうな場所が見当たりません。PLAN MAISONの向こう側のコースを取ってチェルビニアのメインストリート近くへ降りなければいけなかったようです。スキー置いていけるような場所も無いので、PLAN MAISONへ登ることにしました。
PLAN MAISONはスイス側のフーリとかトロッケナーシュテークのような、ゴンドラの中継駅で、ホテルもあります。イタリアンカフェも。念願のPIZZAです。メニューで唯一読めたマルゲリータを注文しました。
レジで注文すると番号を書いた紙を渡されます。PIZZAが焼きあがるとその番号が呼ばれるのですが、イタリア語です。私が聞き取れそうな数字は 1(ウーノ)4(クワットロ)5(チンク)だけ、渡された紙は”68” 到底聞き取れそうもないので、テーブルにコーラとヘルメットを置いて、レジ横をウロウロ、何とか受け取れました。
初めてのイタリアのPIZZA、最高でないはずがありません。自分の足で国境を越え、
たどり着いた味ですから。
PLAN MAISONからゴンドラを2本乗継いで、テスタグリージアへ戻ります。チェルビニアが標高2,050m、PLAN MAISONが標高2,555m、テスタグリージアは標高3,480m、再び1,400m登ります。