午前7時52分、ゴルナーグラート鉄道ツェルマット駅のホーム。ツェルマットスキーエリアの全ての移動手段は8時が開始時間と決められている。ゴルナーグラート鉄道も例外ではなく、午前8時以前に発車する電車にスキー、スノボの道具を持ちこむことは禁じられている。
電車のテーブルには、スキーエリアのイラスト、太い赤線がゴルナーグラート鉄道。ツェルマットからゴルナーグラート山頂まで、9.24㎞、標高差1400mを走る。徐々に斜面は険しくなり、アプトギアの音高く、林の中を進む。
電車は更に登り、スネガとゴルナーグラートを隔てる谷を跨ぐフィンデルバッハ鉄橋を渡る。氷河の向こうで4,000m級の名峰たちが朝焼けに染まっている。暖かい電車の中で、スキーウェアを解き、車窓からアルプスの朝焼けを見る。至福の時。森林限界を超えた、遮るものがなくなり、マッタ―ホルンが全容を現す。昨日の滑走をたどる、左からマッターホルン直下の谷へ滑り降り、谷沿いから林間コース、フーリへ向かった。マッターホルンの左直下の谷に一の字にマッタ―ホルンエクスプレスのフルク駅が見える。森林限界を超えたゴルナーグラート鉄道は、リッフェルボーデンとリッフェルベルクの間のくぼ地のぞき込みながら、右に大きく回り込み、ゴルナーグラートのメインエリアの台地へと上がる。
リッフェルベルク駅に着いた。時刻は8時25分、気温-5℃、天気は昨日に続いて快晴、今日も最高のコンデイション。