ツェルマットのゲレンデは標高2000ⅿ付近の森林限界の上に広がっています。左からマッターホルンを美しい角度で望む「スネガ・ロートホルン」。 歴史ある登山鉄道で登る3100mの絶景の展望台「ゴルナーグラート」。ヨーロッパ最高所3820mの展望台から滑り出す氷河エリア「マッターホルン・グレーシャーパラダイス」。イタリアへと滑る南斜面の「チェルビニア」。標高差2000mのロング滑走を誇るイタリア側の穴場「ヴァルトルナンシュ」。 総延長360km広大なスキーエリアです。今日は「マッターホルン・グレーシャーパラダイス」と「チェルビニア」を滑ります。
クラインマッターホルン(標高3882m)はマッターホルンの南東に広がるグレイシャーパラダイススキーエリアの中にある角のような形状した山で、山頂にロープウェイの駅と展望台があります。その名の通り、クライン(小さい)マッターホルンでマッタ―ホルンの南東7kmに位置します。滑走の滑り出しとなるロープウェイ駅は標高3820mで、ツェルマットスキーエリアの最高点です。
ホテルがあるスイス国鉄ツェルマット駅からマッタ―ホルン・エキスプレスのツェルマット駅までe-BUS(無料シャトルバス)のグリーラインで15分弱です。
バス停はホテルから30ⅿ、ゴルナーグラート鉄道のツェルマット駅前にあります。8時40分マッターホルンエキスプレスのツェルマット駅に着きました。スキーハイシーズン、天候は快晴、バスは結構な込み具合です。バスもEVで少し小柄です。
人が並んでいましたが、5分もしないで乗れました。ツェルマットのゴンドラの列にはSoloレーンがあり、お一人様はスムーズに乗車できます。
Matterhorn-Expressの文字がカッコイイ、6人乗りの循環式です。
マッターホルンエクスプレスのツェルマット駅は、ホテルのあるスイス国鉄ツェルマット駅から直線で1㎞、日本人橋の先、まだ街中のような場所にあります。ゴンドラは、しばらく民家、山小屋、ホテルの間を進みます。
8分程で、フーリです。フーリは標高1867m、ゴンドラのラインが交差するツェルマットスキーエリアの起点となる駅です。ツェルマット中心部との高低差は200m、ここから一気に森林限界を超えていきます。
フーリからトロッケナーシュテークまでは、2つのルートがあります。トロッケナーシュテークに直行する大型ゴンドラと、マッターホルンエクスプレスでアロレイド、シュヴァルツ、フルクを経由するルートです。マッターホルンエクスプレスはフーリ、シュヴァルツで方向を変えますが、ゴンドラは区間を跨いで引き継がれ、乗り換える必要が無いため、トロッケナーシュテークより上に行くスキーヤーはツェルマットで乗ったらそのままトロッケナーシュテーク迄乗っていきます。
フーリで進行方向をシュヴァルツに向けたゴンドラは、最初の稜線を目指し、本格的に登り始めます。早朝、この辺りをヘリコプターがダイナマイトで爆破して人口雪崩を起こしていました。
ツェルマットから見て、手前の稜線の上にあるアロレイド駅です。標高2324m、森林限界を越えました。
アロレイドからシュヴァルツへの中間から後方を見ると谷底にあるツェルマットの町が見えます。周囲の斜面に黒く森林が見え、森林限界がはっきりとわかります。
シュヴァルツに着きました。標高は2583m、シュヴァルツはマッターホルン最も近いゴンドラ駅です。夏にはハイキングで人気だそうで、近くのシュヴァルツ湖では逆さマッターホルンが見えるそうですが、今は雪の下です。
マッターホルンエクスプレスは途中駅では減速し、ドアを開け乗り降りすることが出来ます。
シュヴァルツからのマッターホルン。ゴンドラはシュヴァルツでトロッケナーシュテークへ方向を変え、谷底のフルクへ下ります。
フルクの標高は2432mシュヴァルツから150m下りました。
ゴンドラから後方を見ています。正面の稜線にあるのがシュヴァルツ、手前下に見えているのがフルク。
フルクから見上げたマッターホルンは正三角形。
フルクから再度登り、トロッケナーシュテークの手前では、マッターホルンの形が変わりました。
トロッケナーシュテーク(標高2939m)に着きました。ここでマッターホルン・エクスプレスは終着となり、クラインマッターホルンへ登るゴンドラへ乗り換えます。
正面に角のように見えているのがクラインマッターホルン、ゴンドラの鉄塔が2組クラインマッターホルンに向けて伸びています。左側は1979年に完成した交走式(2台のゴンドラが交互に昇り降りする)で、右側は2018年に完成した循環式(駅でゴンドラが反転して循環する)です。
真新しい循環式ゴンドラでクラインマッターホルンへと行きます。ゴンドラはピニンファリーナのデザイン。
トロッケナーシュテークを出たゴンドラが、3本目の鉄塔を過ぎると、
クラインマッターホルンの駅直前まで支えの鉄塔がなくなります。クラインマッターホルンは氷河の滝に取り残された小島です。氷河は両側を流れ、クラインマッターホルンの下で再び合流しています。氷河の上を通る、約2.7㎞には鉄塔等は設置できません、ワイヤーだけで氷河を渡ります。天候が荒れれば、真っ先に運休となります。
ゴンドラの下の氷河。
氷河を渡り切ったところから、すごい角度でクラインマッターホルンに向けて、引き上げられていきます。
角度は60度程度だと思いますが、眼前に岩肌が迫り、垂直に上げられていくように感じます。トロッケナーシュテークから標高差約900mですが、氷河の上で一度たるんでいるので約1000mを一気に登ります。
頂上の岩壁に新旧2つのゴンドラ駅が突き刺さって、異様な光景になっています。
到着しました。時刻は9時40分、ツェルマットから乗り換え時間も含めて丁度1時間、2200m登りました。